北海道に馬が入ってきたのはいつ頃? どこから?
 日本列島と大陸が陸続きとなっていた遠い昔、北海道も本州と陸続きになっていた昔。マンモスナウマンゾウが北海道でも歩いていた。その頃に北海道に馬の祖先がいた証は発見されていない。
 その後、地球が温暖化し氷がとけて海面が上昇して今のような日本列島ができ北海道ができた。北海道にはヒグマ、本州は月輪熊、野生の猿はいない。
 さらに時代が進み、本州では埴輪などに馬の姿が見られるようになった。この時代北海道には馬の痕跡がない。さらに平安時代、鎌倉・室町・安土桃山と時代が進み、たびたびの戦と経済の発展が進んだ。この間、馬は戦や物資運搬など多方面で活躍し、馬物語や絵画に多々登場してくる。
 鎌倉末期頃から津軽地方など有力な氏族が支配するようになり、北海道南部もその影響下にあったようだ。14世紀のこと、本州北方と北海道南部の政治と経済が活発に動いていた。これに伴って、当然、人と物資を運ぶ馬も関わっていたのではないかと想像される。したがって、馬は、14世紀には北海道にいたと想像できる。しかし、残念なながら、物的、文献的証拠はない。 
 さて、その物的・文献的資料であるが、松前藩の家史である「新羅之記録」(しんらのきろく)に馬のことが記載されたのが初見とされている。馬の骨が上ノ国町の勝山館でみつかっており、これが最古の馬存在の物的証拠となっている。年代的には1450年頃から1590年頃の間のものではないかといわれている。(「蹄跡」北海道馬産史編集委員会)
  どこから来たかについては、「新羅之記録」では、東北の津軽氏からもらったとあり、当時から東北地域が日本有数の馬産地でもあったことから、東北地方の馬すなわち南部馬ではないか、つまり、東北地方から移入されたということが定説となっている。
 勝山館から出土した馬骨からDNAが抽出できれば北海道和種馬との比較などが可能になるのではないかと考えられる。
 そのほかに、北方からの渡来説やもあるが、その証拠は見つかっていません。
結論
 現在は、どさんこは南部馬が先祖、15世紀には存在したということが定説となっています。
しかし、もっと早くから本州とのいろいろな交流があったことから、馬も入ってきているはずだということもあり、今後の研究や資料の発掘などから新たな説が出てくるかもしれません。
 北海道の馬の歴史にはロマンがあります。  


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