どさんことは
 「どさんこ」とは「北海道和種馬」の通称です。
 社団法人日本馬事協会でサラブレッドやアラブなどの軽種馬以外の馬の登録事業を実施していますが、その中で、わが国の在来馬8品種の一つ
として北海道和種馬の定義が定められています。、純粋の北海道和種馬どうしを交配して生まれたもの、北海道内で生産されたものであって、
血統上3代前までの間又は北海道で過去15年間にわたり他の品種が混血していないと認められたものに限り北海道和種として登録されます。
 また、連続5代にわたり小格馬に北海道和種を交配して生まれた馬も純粋の北海道和種として登録されます。
 頭部及び肢部に白徴(白い模様・星・流星など、足の白い模様)がある馬は、北海道和種の登録から除かれます。
 身体の特徴は、体高(前足の位置で肩の上(きこう部のへこんだ位置)までの高さ・)がおよそ130cm前後、毛の色に粕毛が多い、たてがみなど長
毛が豊かで長く、ひずめがかたく、強健で持久力に富む、背中が短く、尻は斜尻で編笠の様な形をし、X脚の馬が多い。
(以上の内容は、日本馬事協会種馬登録規程事務細則から抜粋して説明したものです。)

「どさんこ」は丈夫でく頭のよい馬
 このようにやや小型で強健な馬です。また北海道の厳しい環境の中で改良されてきた馬です。雪が降ろうと放牧されてきた馬ですから、生存するた
めには、人の手を借りないで自ら食料の確保や害獣に対する防衛など乗り越えなくてはならない難問がたくさんありました。ですから、北海道でも比
較的降雪量が少なく「みやこざさ」(葉の茂る高さが低く、ドサンコにとって食べやすい。)の多く茂っている地帯に多く繁殖していました。また、明晰な
頭脳を持っていないと食料の確保も出来ず、害獣(多くは熊)を察知して素早く逃げる。あるいは近づかないという行動がとれません。北海道にいるど
さんこは、このような能力を引き継いできています。長い間、駄載用馬として改良され、また、やや大型のものは武士の乗用としても改良されてきた馬
です。軽い農作業はこなしますが、重たい農機具を牽引することはあまり得意ではありません。

「どさんこ」の利用
 これを現在の利用の面から見ますと、餌は、低蛋白のものでよい。これを粗食に耐えると言いますが、別に耐えているわけではありません。笹があ
ればきちんと食べます。
人とのコミュニケーションが図りやすい馬です。人の気持ちをよく理解できる頭脳をもっています。頭がよいだけに、逆に、人のことを理解させていない
といろいろな逃避行動をします。頭脳明晰なために、人も害獣と思ってしまうのでしょう。よく、ドサンコは荒いといわれる所以です。
ですから、基礎的な教育を施すことが大切です。われわれも同じで義務教育を受け、専門教育を受けて社会に出て行きます。

乗ることが中心
 荷物を背中に積んできた馬ですから、乗馬にも適しています。やや小型ですから、乗ってみると恐怖感がありません。障害者の皆さんに乗ってもら
うときには安全なサポートが可能です。体の幅もちょうどよいです。早足をさせると殆どの馬は側対歩を使います。従って、上下動が少なく楽に乗れま
す。
 ドサンコについては、「乗ること」に対していろいろな使い道がある馬です。初心者から高齢者まで、また障害を持っておられる方にも広く使っていた
だけます。山坂のあるホーストレッキングは得意ですよ!

登録が大切
 ドサンコをお持ちになる場合は、やはり「血統登録証明書」を持っている馬が望ましいです。年齢や産地、親子関係が証明されています。親馬の場
合は、、繁殖登録証をもっていると次世代の馬を生産するときに役立ちます。
(:::側対歩 人でいうと右足と右手、左足と左手が同時に動く歩き方。一般的には、右手と左足、左手と右足が同時に動く、このような歩き方を馬の世
界では斜対歩といいます。)

馬文化の保存・伝承 
 どさんこによる荷物の駄載技術並びに伝統の馬具、駄載の仕事をよく理解している馬は、我が国では、北海道、特に函館にしか残されていません。
この文化を保存し後の世代に引き継いでいくことが大切です。現在、この技術を活用する実際的な場面がありません。しかし、災害発生時における交
通途絶地帯への緊急対応としての物資の輸送などは可能です。人が歩けさえすれば、付近まで馬運車で移動し、直ちに荷物を駄載して災害現場に
輸送することが出来るのです。1頭で100kgを超える物資の運搬は可能と考えられます。
このためには、日頃の災害救援訓練と組織的な対応が必要です。ぜひ検討の価値のある課題と考えています。
馬文化の保存と社会貢献の両面が可能です。
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